2017年9月10日日曜日

中野信子さんの『努力不要論』、藤田紘一郎さん・斎藤一人さんの本を思い出す、人体機能の働きに感じ入る

2017年9月6日(水)のブログで話していた中野信子さんの本『努力不要論』(フォレスト出版)を再読しています。
エピローグの『「努力は報われる」は半分本当である』(p18-20)には人体の機能、特に身体と脳の働きについての詳しい説明があります。
これは内心では概ねわかっているようなのですが、ややもすると忘れがちになっていることのように思います。
非常に心に響きましたので、そっくり引用させていただきます。
◆人というのは通常、持っている力のすべてを出し切って生きているわけではありません。「本当はここまでできるはず」という最大値の半分、がんばっでもせいぜい8割くらいしか力を出していないのです。全力を出し切ってしまうと身体へのダメージが大きいからです。
◆少し遊びを残しておくのでないと、回復に時間がかかりすぎるのです。その間は外敵・外圧から身を守ることも逃げることもできず、自分を危険な状態に晒すことになります。これは、自分を守るための、自動的に働く生物に備えつけられたセキュリティ機能です。
◆脳という器官に焦点を当てて考えてみましょう。脳はそのサイズに比べて、酸素要求量も栄養の要求量も飛び抜けて大きい。ですので、なるべく無駄なことはせず、リソースを節約しながら使おうとします。つまり、脳としてはなるべく、考えないで済むことは考えない、覚えないで済むことは覚えないでおくようにしたいわけです。
そして、使わない機能については抱えているだけでも負担になりますから、どんどん機能をリストラする方向に、常に圧力がかかっているのです。
◆では、そのまま放っておくと、どうなると思いますか?
覚えないで済むこと、考えないで済むことを放置しておくと、本当に覚えられない、考えられない脳になります。
◆つまり、負荷がかからないと、どんどん機能が錆びついていってしまう。そういう性質が人体にはあります。筋肉も同様ですよね。あるレベルのパフォーマンスを実現したいと思ったときには相応の負荷をかけなければなりません。
◆その負荷というのが努力です。だから努力をしないと発揮できるパフォーマンスはどんどん落ちていきます。
逆に、適切な努力をした人は、やった分だけ、自分が持っている可能性の最大限まで力が出せる身体に近づいていきます。
◆それが「努力は報われる」という言葉で表現される、ウソでない部分です。
ここで言う、脳のなまけようとする厄介な働きのせいで、人間は苦労させられているのかもしれませんね。
ここで、またもや2015年2月25日(水)のブログで触れていた藤田紘一郎さんの本『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)と2016年5月31日(火)に紹介していた斎藤一人さんの本『成功脳』(ロングセラーズ)を思い出しましたわ。
人体機能にはこのような、なまけようとする働きがあるために、ともすると努力が美化されているのかもしれませんね。
やはり、脳科学者でもあり医学博士でもある中野信子さんの分析力はさすがにスゴイですね。
いろいろと感じ入ることがあります。
有り難いことですわ。
ありがとうございます。

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