2014年5月8日木曜日

塩田妙玄さんの本から"自然死"、近藤誠さんの本から"リビングウィル"

塩田妙玄さんの本『ペットがあなたを選んだ理由』の【祈りの効用】の個所を読んでいると、ペットの"自然死"についてのお話がありました。
非常に分かりやすく書かれているので、それを引用させていただきます。
≪ドーロ(ボランティアに拾われた野良猫のこと)のような苦しまない死を「自然な餓死による自然死」というのだそう。
人間もそうだが、末期の際は、まず自ら食べ物を食べなくなる。消化する必要がなくなり、栄養を体に運ぶ必要がなくなった内臓は、ゆるやかにその機能を停止していく。そのうちに水も飲まなくなると、今度は排泄機能が停止していく。栄養も水分も取らなくなった体は、急速に枯れ始め、しだいに夢うつつの昏睡状態に入る。そのまます~っと最後の臓器、心臓が停止する。苦しまない穏やかな最期。点滴の管も、酸素吸入もない自然死。
昔は、こんな自然な末期の餓死による「自然死」がほとんどだったという。
医学の進歩は、死にゆく体さえ生かそうとするようになり、自宅にも帰れずに、苦しむ死が増えたとも言われる。痛みが伴わない場合、死にゆく体には「何もしない勇気」「何もせず看取る勇気」も必要ではないか、と私は思う。(p224)≫
これを読んでいて、近藤誠さんの本『医者に殺されない47の心得』(アスコム)にも、同じようなこと、つまり、人間にも延命治療を施すと苦しみながら死んでいくというようなことが書いてあったのを思い出しました。
そうなりたくない近藤誠さんは本の最後に自分のリビングウィルを紹介してくれていました。
参考になるので、これも引用させていただきます。
≪近藤誠のリビングウィル
いっさい延命治療をしないでください。
私は今日まで、自由に生きてきました。
64歳まで、好きなことに打ちこんで、幸せな人生でした。
そして、自分らしく人生を終えたいと思っています。
今、私は意識を失っているか、呼びかけに少し反応するだけだと思います。
すでに自力では、呼吸もほとんどできないかもしれません。
このまま命が尽きても、何も思い残すことはありません。
だから、決して救急車を呼ばないでください。
すでに病院にいるなら、人工呼吸器をつけないでください。つけられているなら、はずしてください。
自力で飲んだり食べたりできないなら、無理に、口に入れないでください。
点滴も、チューブ栄養も、昇圧薬、輸血、入工透析なども含め、延命のための治療を何もしないでください。すでに行われているなら、すべてやめてください。
もし私が苦痛を感じているようなら、モルヒネなどの、痛みをやわらげるケアは、ありがたくお受けします。
今、私の命を延ばそうと力を尽くしてくださっている方に、心から感謝します。しかし、恐れ入りますが、私の願いを聞いてください。
私はこの文章を、冷静な意思のもとに書き、家族の了解を得ています。
いっさい延命治療をしないでほしい。
この最期の願いを、どうぞかなえてください。
決して後悔しないことを、ここに誓います。≫
死を迎えているペットに延命治療を施すと苦しみながら亡くなっていくようです。
同じように人間も延命治療により苦しんで亡くなっていく人が増えているようです。
であるならば、やはり、最後は管につながれずに自然死という形で身罷りたいものですわ。

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