2014年3月24日月曜日

本「竹林はるか遠く」を読んでみて、突拍子もない考えが浮かぶ

実話の映画「ワンチャンス」に感動したところです。
さらに本でも感動する実話に出合いました。
それは、川嶋擁子さん家族が韓国北部から日本に引揚げてくる、想像を絶する物語です。
ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ著「竹林はるか遠く」という本です。
この物語も涙なしには語れません。
母親と姉と彼女は逃亡するように、この世の地獄を経験しながら艱難辛苦を乗り越えて、ようやく博多にたどり着きます。
それから、京都に。
3人の京都駅での生活が始まります。
そこから母親は娘2人を学校に通わせます。
そのお金は風呂敷に仕掛けを作って大金を忍ばせていたのでした。
娘2人を京都駅に残して、母親は青森の実家へ様子を見に出かけます。
青森の実家は空襲で焼かれ、みんな死んでしまっていました。
京都に帰ってきた母親は落胆と憔悴のあまり、駅のベンチで息を引き取ってしまいます。
残された2人の姉妹は、たまたまよい人に巡り会って倉庫に住まわせてもらうことに。
姉妹でたくましく生きていきます。
兄は別ルートでかなり遅れて舞鶴から京都に辿り着き、再会するところで終わります。
父親は満鉄のエライさんでソ連に抑留されたようですが、その後の消息は書かれていません。
ほんとに感動しましたわ。
これを読むと、どの国にもいい人もいれば、悪い人もいるということがよくわかります。
戦争という極限状態に置かれると、そのような良い悪いの人間の本性がさらにむき出しになるように思いました。
この物語をドラマとして考えると、いい役もあれば、悪い役回りもあるということになります。
飛躍するようですが、この地球を舞台だと見立てると、この世に生まれてきて悪い役をする人も必要になります。
そのような役をするのは、さぞ辛いだろうなと思ってしまいます。
本当は好きでそのような悪役を演じているのではないのではないかと。
やむなくこの世で悪役という役割を果たしているのではなかろうかと。
親鸞聖人の歎異抄に「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」 という一節があります。
このことを言っているのではないかと思ってしまいましたわ。

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